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本部紹介 ―保険システム開発本部―

保険システム開発本部

本部長・永田剛一 インタビュー


2000年の設立以来、システム開発会社である私たちベルチャイルドの主要事業、基軸事業 であり続けているのが、保険ソリューション、保険関連システムの開発事業です。「保険」と一言でいっても、自動車保険や火災保険、ペット保険などさまざまな種類がありますが、私たちがとりわけ力を入れてきたのが、生命保険(個人保険および団体保険)。

今回は、保険システム開発本部本部長の永田剛一に、ベルチャイルドの保険ソリューションの歩み、そして保険システム開発本部が目指す方向は何なのかを聞きました。


はじめての案件となった団体保険の契約管理システム

ベルチャイルドの保険ソリューション、保険関連システムの開発について永田が開口一番、語ったのがお客様への「感謝」です。 

「創業時からの重要なお客様であるのが、国内大手生命保険会社のシステム開発部門です。私たちが保険のことをよく知らない頃からチームに加えていただき、保険のこと、保険ソリューションで肝心なことを教えてくださいました。 これまで以上に感謝の気持ちを込めて、お客様が考えている以上の結果で恩返しをしたいと思っています」(永田剛一) 

創業期のベルチャイルドが開発を任されたのは、団体生命保険の契約管理システムでした。これは特定の保険会社のシステムというわけではなく、団体保険を提供する多くの保険会社が共同で利用するシステムです。 

「今でこそ少し状況が変わってきましたが、当時、団体保険の分野は保険会社ごとの商品に違いが少ないため共通するところが多かったんです。そこで保険会社間で共通する部分を共同利用できるシステムを作ろうというお客様の発想が面白いと感じた事を覚えています。

システム的には、ベースとなる部分を共通化(標準化)することで開発の手間やコストが下げることができ、細かなサービスの違いなどはカスタマイズできるシステムエンジニアとしても良い感じの仕組みに仕上がったと思いました。また、当初は業務的に保険の知識が乏しく新鮮な発見をする毎日でした。

たとえば、個人向け生命保険の場合では生命保険料控除証明書は個々の自宅に送られてきます。ところが全国に沢山の支社・支店があるような大手企業の団体保険の場合、何万人分もの控除証明書がどーんと本社に送られてくる可能性がある事を知りました。総務業務効率向上のため、控除証明書をどこに送るか、事務取扱をどこまでやるかが団体保険のサービスの差別化になるということは大きな発見でした」


「お客様よりお客様のことを考える」ための原動力

このような保険ならではのプロセスやサービスから、永田はシステム開発に必要なのは何かに気づいたといいます。それは、「お客様よりお客様のことを考える」ということ。 

「これはどんな仕事、業界でもいわれることかもしれませんが、なかなか簡単にできるわけではありません。それでも私たちがまがりなりにもやっている、できていると自信を持つことができるのは、創業から今に至るまで保険の事を教えてくれたお客様のおかけです。 私だけでなくメンバー皆がその恩返しをしたいという想いを持っているからだと思っています。

 たとえば、お客様から『こんなシステムをつくりたい』といわれ、ある程度の仕様も固まっていたとします。しかし、私たちは『お客様がつくりたいというAというシステムより、Bのシステムのほうがよいのではないですか?』と提案するケースもあります。そのシステムをつくる目的、必要とされる課題解決、何がお客様の未来にとって利益になるかまでを考えるからです。 そう提案して、お客様から同意をいただけたときは、嬉しいですね」

そこまで提案するためには本当に保険を理解していないと難しいのでは、一般的なエンジニアの仕事とは質も変わってくるのでは、と尋ねると永田は頷き、こう続けます。 

「私たちの仕事は、プログラムやコードを書くだけではないんです。保険というのは形のある商品ではなく、文章、特に約款の内容がそのまま商品になっている性質があります。だから新しい商品が出ると約款の内容を洗い出し、従来の商品と何が違うかを比較し検討します。とりわけ、個人向けの生命保険でその力が試されるんです。

個人向けの生命保険は約款の内容が商品ごとに異なります。保険システム開発に携わるエンジニアには、約款を理解し、それをシステムに統合して開発する能力が必要だと考えます」


「保険を知る」ことが正しいシステムと信頼につながる

そうして永田は、BRMS(Business Rule Management System)を利用して構築した個人保険契約管理システムの話を始めます。

前述のとおり、団体保険は保険会社によって商品が大きく違うということはありませんが、個人向けの生命保険になると、各社が特色ある商品を生み出しています。そればかりでなく、1つの生命保険会社が多種多様な生命保険商品を販売しています。 

そこで求められるのが新商品発売までの時間短縮です。そこでBRMSが採用されました。このシステムは約款や保険料の計算方法、制度、法律といった保険を構成するものを定義づけることで、新商品発売までの時間を短縮するものでした。

「だから開発者も約款などをよく理解しなければならないんです。BRMS自体は、さまざまなベンダーが、さまざまな業種向けに開発しており、つくることもそこまで難しいわけではありません。しかし、『何をルールとして定義するか』、『何を設定項目にするか』といった課題において、保険をきちんと知らなければ非効率なシステムができあがってしまい、生産性や保守性を失ってしまいます。

私たちは他のシステム会社に負けないよう、お客様よりお客様のことを考え『保険会社より保険のことを知ろう』という意気込みでやっています。そうすることでお客様との信頼が深まると信じています」 

ベルチャイルドのシステムづくりは、お客様の商品の本質を知る事だと思っています。



お客様の未来のために

保険のシステム開発も、時代とともに変わっています。近年は、ローコード開発が主流となりつつあり、ローコードはこれからの開発でさらに重要になってくるでしょう。この時流に対し永田はこう語ります。

「私たちもローコードのメリットは理解しています。フロントエンド、ユーザーインターフェースの部分はローコードが得意とする領域ですので積極的に使った方がいいと思っています」

そう前置きした上で、永田は 「保険の場合、約款をはじめとして難しいロジックも含めながら商品が成り立っているわけです。それをビジネスロジックをきちんと理解しないまま、設計思想がないままローコードで開発を進めると、保険料や保険金の計算が間違ってしまうこともあるかもしれないし、従来通りのプロコード開発ではできていたプログラム変更前と後との比較ができないため保守・メンテナンスが難しくなるかもしれない」と続けます。

「ですから私たちは、フロントエンド、ユーザーインターフェースの部分はローコードを活用し、バックエンド領域ではビジネスロジックを考え設計された従来通りのプロコード開発を行い、ローコード開発とプロコード開発の双方のメリットを活かすことで、最適なシステム構築ができるのではないかと考えます」
「最近はお客様の経営層の方々と直接お話しする機会も増えてきました。これまで以上にお客様への感謝と、それを表すための恩返しは続けていきたいと考えています。もちろん、新たなお客様との接点も増やしていきたいです。  

『じゃあ、そこで何をするの?』となると、やはり『お客様よりお客様のことを考える』という点に尽きると思います。単にお客様の要望への対応だけではなく、お客様の未来まで考える。それが、ベルチャイルドの未来にもつながっていくはずですから」

永田だけでなくベルチャイルドのメンバーは、お客様の未来のための提案と開発をこれまでも、これからも、行っていきます。


Profile

株式会社ベルチャイルド 
保険システム開発本部 保険事業は、ベルチャイルド創業以来の基幹事業。2023年4月に保険システム開発本部が発足。本部内の事業部として「個人保険ソリューション事業部」「保険共済サービス事業部」「企業保険ソリューション事業部」を有する。 

永田剛一 
株式会社ベルチャイルド 保険システム開発本部 本部長
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